宮大工・直井光男(福井県越前市)
直井光男棟梁は、昭和9年福井県越前市に生まれ中学校を卒業後、武生の辻崎儀一棟梁のもとで内弟子として修行を積み、昭和29年大工として独立、その後、奈良の西岡常一棟梁(法隆寺金堂の復元、法輪寺三重塔、薬師寺金堂及び西塔などの再建を手掛けた。文化財保存技術者、文化功労賞などを受賞。1995年没)のもと幹部職として薬師寺金堂、西塔の復元工事を手掛けるなど、伝統的な社寺建築をつくる宮大工としてその成果には斯界でも高い評価を得ています。まさに、日本伝統建築継承の第一人者です。 手道具を使う技術も格別で、その精密な技量、造詣の深さによりわが国の文化財建造物が建立され、長期にわたり保存されています。 特に福井県を中心に、善九寺山門を始めとした社寺新規造営、国の重要文化財に指定されている社寺の解体修理などを手掛け、さらに豪雪地帯である福井の気候に適した雪の重みに耐える構造での家造りに取組むなど、地域に根ざした活動による地域文化の継承への貢献は多大です。 近年は、50年以上培った宮大工の技と心を後世に伝えていくため、後継者育成にも熱心に取組んでおり、斯界では異例な女性の大工を育成するなど、棟梁のもとで育った宮大工が各地で伝統的な社寺建立に活躍していることも大いに賞賛するところです。
−芸術活動分野−
1978年に結成され、今年30年記念を迎えます。 京都の夏の風物詩である大文字の送り火の夜を、国籍・ジャンル・カテゴリーにこだわらず、優れた音楽家による精度の高いメッセージ性のある舞台提供をコンセプトにしてきました。 今年は日本の伝統芸能とクラシック音楽のコラボというオリジナル企画を発信しました。
2.BONANZAGRAM(東京都多摩市)
1995年にバレエダンサー三浦太紀氏により設立。 古典的なバレエのもつ繊細・優美・華やかさとは違い、極めてダイナミックに自分達を主張し表現しようとしている、全方位型の舞台表現を得意とするプロデュース団体です。 舞踊表現の拡大、コンテンポラリーな動き、台詞、歌、楽器演奏など既存のジャンルにとらわれない、あらゆる表現方法を用いての舞台表現を行っています。
日本各地の民俗芸能に宿る精神や情熱を伝えることを目的に、各地を訪れ交流を深める中で芸能を学んできました。そして、それらを素材とした舞台作品の創作・公演をおこないながら、海外の音楽や踊りの要素も取り入れた新しい作品づくりを続けています。 京都を拠点としながら、その活動は国内だけでなく海外との民間国際交流にも大いに貢献しています。
合唱劇「カネト」とは、昭和初期、太平洋と日本海を結ぶ最初の鉄道である「三信鉄道」の天竜峡において、測量と一部工事を行ったアイヌ民族である川村カネト物語をもとにした合唱劇です。 歌を通して地域の歴史を伝承すること、また地域の人・物・情報の担い手である「三信鉄道」を通し地域文化を見つめなおすきっかけを提示する活動をしています。
能楽のメソドロジーを用いて作曲家の書き下ろす現代音楽の中、歌舞による劇空間を作り出すという比類をみないユニットです。 能と現代音楽を用いた手法は芸能の東西をつなぎ、斬新かつ古典の歴史を深く考察した演出は古典と現代をつないでおり、日本のみならず海外でも評価されています。
埋もれてしまう優れた先達の音楽を中心に、レクチャーコンサート形式で地方での音楽文化の振興およびクラシック音楽ファンの開拓を視野にいれた活動をしています。 演奏は一流の演奏家により行われていますが、運営は全て市民の手作りによるもので、全国的にも高い評価を得ています。
バロックを中心としながら古典派、ロマン派から現代に至る名曲を積極的にとりあげ、聴く機会の少ない音楽史上貴重な曲を紹介しています。 また、聴衆と交流の場を設け、定期公演以外にも身近な小さいコンサートや、アマチュアが参加できる楽器指導を含めた共演の集いを開くなど、地域に根ざした室内合奏団として高い評価を得ています。
シベリウス没後50年、グリーク没後100年にあたる今年は、北欧の音楽を鑑賞する絶好の機会であることから、北欧歌曲の普及のための5年計画をスタートさせました。 クラシックリサイタルは集客も難しく、あえて北欧の歌曲、しかも近・現代という難関にチャレンジする意欲的な取り組みは評論家等からも高い支持を得ています。
2000年に設立、日本で生まれた「舞踏」と呼ばれる踊りの一種であり、形式化・様式美・儀式性・思想伝達のプロパガンダのダンスとは異なり、心の動きと感情が身体の表面ににじみ出る動きや仕草で表現するダンスです。 多くのダンサー達を支え、子供やお年寄り等地域の人々とダンスを創作するなど、ダンスとの接点を広げる活動にも精力的に取り組んでいます。
幅広いレパートリーを持ち、楽曲に津軽地方のお山参詣のリズムを取入れるなど音楽性においても高い評価を得ています。 「アマチュアの精神で演奏はプロ級に」をポリシーとし、著名な音楽家を招いて自らの音楽的成長を追求、質の高い演奏活動は海外でも高い評価を得ています。 無料のコンサートや小中学校を対象に巡回音楽教室を開催するなど、地域での演奏活動を積極的に行い、音楽の魅力を伝え打楽器の紹介にも努めています。今までの功績により平成18年文化庁地域文化功労賞を受賞しました。
地域の音楽文化の振興を願うアマチュア音楽団体が集まり平成8年に結成されました。 中越地震復興支援コンサートに参加し、音楽文化による街興し・街づくりを目指し、小学生を含む多くの市民による手作りコンサートの開催、また感動する音楽を演奏することで、演奏家や観客の立場を超えて音楽を愛する市民の輪を広げることを目標としています。
日本演劇協会新人賞の最終候補にも選ばれた永山智行氏を主宰として1996年から活動を再開しました。 地元の宮崎県を拠点とし、其々の地域資源や特性である伝統文化、民話や方言などを活用した小劇場風公演を行っています。 劇団員の4名が文化庁の新進芸術家の指定を受け、能・狂言の所作を国の重要文化財保持者に学ぶなど、日本の伝統文化を取入れた芸風の確立・進化に邁進しています。
日本各地に古来より言い伝えられてきた民話を語り継ぐ語り部と、俳優・音楽家・人形師などの共演という口述文学と舞台表現の融合を促し、新たな演劇的時空間の創造を目指す活動をしています。 口述文学と他の舞台表現に共通してある想像する力により、多種多様な演劇的表現の中から想像力を膨らませ、語りの奥深さと舞台の魅力を観客に体感させる企画を実施しています。
年3回の公演をはじめワークショップなどの活動も行い、他県の劇団などと連携、協働することで、地域にあって外部とつながる活動を展開しています。 空間や時間軸を交錯させるなどの実験的手法の模索、抽象的で象徴的な舞台美術、映像と舞台との融合の可能性を追求するなど、常に舞台空間の持つ可能性を追求し、地元の演劇界全体の活性化や視野の拡大をはかっています。
行山流山口派鹿踊は一関市大東町を発祥として、岩手県南から宮城県沿岸北部に広く伝承されてきました。 大原商業高校が平成8年より郷土芸能伝承活動に取組んでいましたが閉校となり、大東高等学校に引き継がれました。 地元の小沼鹿踊保存会の方々から指導を受け、地域行事での演舞など年間約13回にわたる積極的な伝承活動を行っています。
木遣歌は鳶職等の徒弟制度において技能とともに弟子に引き継がれ、歌詞や節回しは師匠の数だけ違うとされています。また、木遣歌に付随して纏振りがあります。 この団体は正統派中間流木遣を継承し、30曲目を47名の全会員による合唱が可能という、国内でも非常に希少な存在です。 現在、指導者である会員の老齢化が懸念され、後継者育成事業にも力を入れています。
大月市笹子町追分に伝わる3人遣いによる人形浄瑠璃であり、1960年県の無形民俗文化財に指定されました。 寛文・延宝(1661〜1680年)の頃、1人遣いの古浄瑠璃として始まり、地方に残る人形座の中でも専業座という珍しい歴史を持っています。 各地に残る人形座の多くが人形に詳しい古老を失い、芸系が絶え文楽の模倣に終わっている中、伝来の芸風を伝承している希少な座です。
阿波人形浄瑠璃は平成11年に国の重要無形民俗文化財の指定を受けました。昔、城下町などでは小屋掛け舞台で公演が行われましたが、山間部では神社の境内に農村舞台を建てて自ら演じて楽しんでいました。 人形芝居の背景として考案された襖からくりが独立した演目として上演されていたことも特色です。 毎年公演を行いながら、野舞台の修復や襖からくりの復元に向けて着実な活動を行っています。
日本を含むアジア諸国から多様な影響を受けて形成され受け継がれてきた沖縄文化は、独自の芸能を確立してきました。 その中の琉球舞踊、組踊、歌舞集等、琉球王国時代から受け継がれてきた芸能を、生きる芸能として次の世代に引き継いでいくため、先人が築いた文化を新たな芸能として発信し、未来の担い手となる若手芸能家の人材育成とともに芸能発展を促す活動をしています。
−人材養成事業分野−
公立文化施設の整備とともに施設職員の育成を目的とし、地域文化振興や舞台芸術などの専門的事項を研究、学習を積極的に行っています。 また、地域文化振興に充分な役割を果たす文化施設としての運営を行っています。