2006年 C−times No.24

第14回
 全税共地域文化賞

 贈呈式 於:2006年4月25日 ホテルパシフィック東京
   賞金 100万円(全国税理士共栄会文化財団)
   副賞 100万円(全国税理士共栄会)


  第14回全税共地域文化賞<CATA>の贈呈式が、4月25日ホテルパシフィック東京(品川区)にて開催されました。
  本年度は伝統芸能活動分野から「原体剣舞保存会」が受賞されました。



原体剣舞保存会(岩手県江刺市)


 剣舞は、念仏によって生きとし生けるものを極楽浄土に送る浄土信仰を基に、その念仏の法力をもって死者の霊を弔い、悪霊を鎮めるために剣を振るい、大地を踏み鎮めて踊る雄渾華麗な日本を代表する民俗芸能です。
  岩手県地方に広く分布し、そのうち江刺市原体地区の原体剣舞は、江刺市岩谷堂増沢地区にあった剣舞を慶応元年(1865)にまなんだものといい、踊り手が全員小学生であることが特色です。日ごろの修練も厳しく、そのみちのくの成熟した伝統文化に裏付けられた完成度の高い独自の表現は、国内外の一流の古典及び現代芸術家や集団と肩を並べる高度なもので、国際的にも高い評価を得ています。
  踊りをささえる保存会は、原体地区すべての住民で結成され、踊り手と全家庭が一体となっての伝承活動がそのまま地域の社会的葛藤の解消や生産ネットワークを含む人の和の強化に貢献するなど、芸能の伝承と地域づくりが表裏一体となってすすめられている点、地域文化の理想的な形を示しています。
  さらに、保存会が盆の仏供養などの伝統行事を絶やさず奉仕しながら、単なる伝統継承の域を超えて、現代性・グローバリズムと調和を図った新しい作品づくりに意欲的に取り組み、国際的な業績を残していることも大いに賞賛に値します。

 




第15期 助成

 −芸術活動分野−

1.(財)三木市文化振興財団(兵庫県三木市)

 昭和61年に文化会館が完成したのを機に、「第九」を歌いたいという市民により構成された合唱団が結成され、今年20回目を迎えます。
  毎年市民から団員を募集し地域一丸となって文化向上を目指し、また一流のオーケストラをバックに地域の子供達による合唱など、新しい取組みも行っています。

 

2.村岡由梨(東京都世田谷区)

 2005年に“せんだいメディアテーク”で行われた美術公募展で大賞を受賞し個展の権利を得ました。この公募展は若手芸術家の作品を取上げ、地域の文化を高めるために現代美術の普及を目指して行われています。
  デジタル文化といわれる今、光を忠実に反映するフィルムを使っての映像作品は超現実的世界を映し出し、耽美的世界観を追求する姿勢は他の追随を許しません。

 

3.作曲家集団クロノイ・プロトイ(福井県坂井郡)

 独立したスタイルと現代美術的センスを持つ若手作曲家6人により、情報交換や様々なジャンルと積極的に提携することを目的として1999年に結成されました。
  様々なレベルにおける大衆歌を大編成アンサンブルに編曲する作業を通し、「現代」と「音楽」を結ぶチャンネルを模索するなど独創的な活動をしています。

 

4.Neuプロジェクト(大阪府大阪市)

 Neuプロジェクトは製作プロデュース、ライブ、劇団製作など、積極的に芸術を広める活動をしています。
  ふたり芝居「ラスト・デイト」は、戸川純・奇異保の異色個性的な役者によって演じられる独創的な世界です。また、京都市登録有形文化財でもある1928年に建造された旧毎日新聞社のビルで公演を行うことは、歴史的建物への関心を高めるためにも大変意義があります。

 

5.演劇ユニット ピンクアメーバ(東京都世田谷区)

 2000年創設当初から、社会・教育における今日的問題を題材にしたエンターテイメント性の高いオリジナル作品は、世代を越えて鑑賞するに値し、いずれも人の命の尊さを訴えています。
  地域や学校、各種施設での上演も企画し、人の生き方などについて幅広く訴え、演劇の普及にも尽力しています。

 

6.音の杜−佐藤敏直プロジェクト−(東京都新宿区)

Photo:酒寄克夫氏

 佐藤敏直(2002年没)は日本作曲界の要として活躍し、また子どものためのピアノ曲や歌曲を創造、教育システムに関わるなど幅広い活動をしてきました。
  ステージはプロ演奏家と子ども達の共演とし、佐藤氏の思想である「日本人の完成に自信を持てる体験を、音楽芸術という文化継承の姿をとって日常的に行う」ことを目的としています。

 

7.特定非営利活動法人アートチャレンジ滝川(北海道滝川市)

 ルーラル・アート・プログラムはデザイン・建築などといった分野の枠を越えた芸術教育プログラムです。
  北海道の自然環境と地域の抱えている問題をアート、ランドスケープの視点から捉え直し、具体的な場所に対する魅力の再発見と再創造への設計演習を行います。共に地域の可能性を考え、豊な感性と創造的連携を育むことを目的としています。

 

8.time and locus(東京都杉並区)

 主催者である野美和子女史はロンドンのラバンセンターに研修し、日本の狭義のモダンダンスから跳躍してまさにコンテンポラリーダンスと呼ぶに相応しい、斬新で衝撃的な作品を発表しているダンサーです。
  新たな身体表現の可能性および独自の世界を追求・呈示することを柱とした創作性、ダンサーとしての資質は高い評価を受けています。

 

 

 

 −伝統芸能分野
1.中在家花祭保存会(愛知県北設楽郡)

 鎌倉・室町時代より奥三河の天竜水系に伝わる湯立神楽に類する神事芸能です。
  花祭は、現在11ヵ所の集落で村人達の熱意と誇りによって守り続けられていますが、いずれの集落も山村の過疎地という悪条件であり、特に中在家地区は人口20人足らず、うち子供は2人しかいません。昭和40年代に伝承が途絶えましたが、近隣集落の協力もあり復活しました。昭和51年、国の重要無形民俗文化財に指定されました。

 

2.元加賀小学校PTA元加賀和太鼓クラブ(東京都江東区)

 開校80周年を記念して発足、4年生以上の児童が参加し今年で18年目を迎えます。卒業生の中には、地域の和太鼓クラブ「葵太鼓」のメンバーとなり、保存・継承の一翼を担っている者も多数います。
  富岡八幡例大祭では56基の御輿渡御の間、休みなく演奏するなどその実力は大いに評価されています。

 

3.田島の獅子舞保存会(埼玉県さいたま市)

 正保元年(1644年)に厄除け・悪魔祓いとして田島氷川神社に奉納されたのが始まりとされています。
  毎年3回、田島氷川神社を中心として行われていますが、獅子舞の舞手は地元生まれの農家の長男という厳しい制約があるため次第に後継者不足になり、昭和45年に途絶えましたが、56年春祭りから復活し現在に至っています。

 

4.特定非営利活動法人沖縄県芸術文化振興協会(沖縄県那覇市)

 琉球の島々に息づく祭りや奉納される民族芸能、宮廷で培われた芸能は、アジア各国の民族の影響を色濃く受けています。琉球文化は世界でも類をみない独自の文化であり住民の誇りでもあります。
  若手演者たちが伝統的歌舞に現代へつながるメッセージをのせた新作歌舞劇を制作し取り組むことで、この琉球文化を生きた文化として次の世代に引き継ごうとしています。

 

 

5.テアトル・ノウ(京都府京都市)

 能を広く知ってもらい、また難解といわれる敷居の高さを取除くために様々な工夫を加えオリジナルの演出で演能を行っています。
  京都の町家や寺院の座敷を生かすなど常に基盤は京都であり、京都の風情を感じられる演出・演能を行い、現代語で語るなど新しい試みにも挑戦しています。また、ワークショップを催し多くの客層にアピールするなど、いろんな角度から能に触れられる活動をしています。

 

 

 

 −伝統工芸技術分野−
1.阿波版画和紙研究会(徳島県吉野川市)

 阿波和紙は評価も高い特産物であるにもかかわらず、国内の多くの版画家は全く使用しておらず、海外からの受注のみが現状です。
  価格の問題だけでなく、阿波和紙は使いにくいというイメージを払拭するために研究開発を行い、生産者と消費者の橋渡しとなるイベントを企画・開催しています。

 

 

2.阿波太布製造技法保存伝承会(徳島県那賀郡)

 記紀・万葉に登場する白妙の布は、楮類の樹皮繊維で織った太布だといわれています。太布の生産は高知・徳島の山間部で盛んでしたが次第に廃れ、技術者の高年齢化に伴い保存伝承が困難となりました。
  現在、国内で唯一恒常的に太布を生産していますが、伝統文化の継承だけでなく地域の活性化の一翼も担っており、また高齢技術者の生きがいや健康づくりの一助にもなっています。

 

3.『島の色』製作委員会(沖縄県那覇市)

 現代都市が失いつつある自然との共生や、長い歴史を通じて培われ伝承・継承されている文化が色濃く残る西表島。
  この島で染織工房を営み後継者育成に長年携わっている染織作家と、島の自然や祭祀を軸に伝統的な習慣が残ってる島の風景を映像で綴り、西表島の地域文化を伝えます。

 

 

4.松本三郎(東京都台東区)

 元禄時代、小さなタナゴを釣り競う文化が突如発生しました。タナゴ釣りの道具は贅を凝らし江戸の粋と称され、特に竿は美術工芸品として高度な技術・技法を駆使して作られ、初代東作によって完成しました。
  竿づくりは竹の選別に始まり、すべての行程を独自に修練された勘と技術で行うため、技法伝承は親から子へ受け継がれてきましたが、職人の高齢化と後継者がいないことが深刻な問題となっています。

 

 

 −人材養成事業分野−
1.社団法人 全国公立文化施設協会(東京都新宿区)

 公立文化施設の整備とともに施設職員の育成を積極的に進め、芸術文化活動の推進に寄与しています。また、地域文化の振興のため中核的な役割を果たす文化施設としての運営を行っています。